2018年   南の集い(2月1日開催)ワンポイントアドバイス
仲良し老夫婦が選んだ結末

超高齢社会へ大きな問い

人生の最後に、最愛の人と気ままな旅に出る。そんな老夫婦を描くロードム−ビ−「ロン

グ、ロングバケーション」が大阪ステーションシティシネマほかで公開中だ。超高齢社会の

中でこの映画から何が学べるんか。高齢者の相互支援活動などをしている大阪市中央区のN

PO法人「ナルク」企画室長の早野さんに聞いた。

映画の舞台は米国東海岸を縦断する国道1号。ボストンに住むジョンとエラ夫婦はある日、

ヘミングウェーの家を見に行くため、キャンピングカーでフロリダに向け出発する。それを

し知った子供たちは大慌て。実はジョンはアルツハイマー病が進行中、エラは末期がんで入

院するはずだったからだ。「人生の終わりの理想的な一つの姿ですね」と早野さんは笑う。

ジョンの運転は危なっかしいが、旅は笑い声が絶えない。夜のキャンプ場でエラは、子供た

ちの年齢もわからなくなったジョンに昔のスライド写真を映して見せ、思い出を語り合う。

「あんな最後の旅をしたいと思う人は多いのでは」 ただ「実際には難しい」とも。

全国に約2万人の会員がいるナルクで多くの高齢夫婦を見てきた早野さんは「夫か妻のどち

らかが弱り、もう片方が世話をするようになる夫婦が多い。旅に出たくても思いを一致させ

るのは大変」と話す。エラは入院で夫婦バラバラになることに抵抗したが、「どちらかが

施設に入ると、仲良し夫婦でも疎遠になってしまうことが多い」という。夫婦の思いを合わ

せるためにできることはなにか。早野さんは「元気なうちに互いにどんな最後を迎えたいか

伝え合っておくことが大事」という。ナルクでは2003年、会員からの声を受けいち早く

「エンディングノ−ト」を開発。ただ「死後のことは書きやすくても、死の直前については

書きにくいという人が多い」という。「つらい場面を想像するしんどい作業かもしれない

が、希望や思いをきちんと伝えて」と話す。映画の結末はショッキングだ。旅の終わり、

エラは自分たちの人生の幕を自から下ろす決断をする。「根底にあるのは『迷惑を掛けたく

ない』という思い。異論も多くあるだろうが、共感する人も多いのでは」と早野さん。周囲

はそうした思いをいかにくみ取り、どう支えるのか。「答えは一つではなく、それぞれに考

えさせられるはずです」。現代社会に大きな問いを突きつける作品だ。

    資料提供:K.K(毎日新聞より引用)









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