2020年   糖質制限のメカニズム
脂質こそ人間本来のエネルギー源

エネルギーを生む出すための2つのシステム

人間の主なエネルギー源は脂質と糖質です。このうち、メインになっているんは、じつは脂質のほうです。人間の体のエネルギーを生み出すシステムには、「ブドウ糖-グリコーゲンシステム」と「脂肪酸-ケトン体システム」の2つがあります。ブドウ糖-グリコーゲンシステムはエネルギー源としてブドウ糖を使います。脂肪酸-ケトン体システムは、食事や体脂肪の中性脂肪を分解して得られる脂肪酸から作られるケトン体をエネルギーをとします。糖質制限を行い、糖質の摂取を制限することで、体がネルギー源として脂質をさらに使うようにするのです。日常生活でブドウ糖を主なエネルギー源として利用しているのは赤血球、脳、網膜です。そのほかの人間の体細胞のほとんどは、脂肪酸-ケトン体システムを主なエネルギー源としています。人間は糖質(炭水化物)をとらなければ生きていけないというわけではありません。活動するためのエネルギー源は脂質から充分にか確保できるのです。

自らブドウ糖をつくりだす「糖新生」のしくみ
人間は糖質をとらなくても活動できる

糖質の少ない食事を続けていると、低血糖などの弊害が生じるのではと思う人もいるかもしれません。しかし、人間の体にはブドウ糖の不足を補うしくみが備わっています。それが「糖新生」と呼ばれるものです。糖新生というのは、肝臓で自らブドウ糖をつくりだす働きのことです。人間の体は糖質以外の物質であるタンパク質や中性脂肪からブドウ糖をつくり、それを血液中に放出して血糖価を維持するのです。断食を数日おこなうと、体脂肪からブドウ糖を新生して脳細胞などにブドウ糖を供給することになります。700万年間の人類の歴史のなかで、農耕開始以前の狩猟・採集時代は、糖質の摂取は木の実から少ししか摂取できず、空腹や絶食、飢餓が日常的で鹿などの野生動物のタンパク質や脂質を摂取していました。そのため肝臓は糖新生を毎日のようにしていました。肝臓で行われる糖新生は、人間全体のエネルギー源を補うわけではありません。エネルギー源としてブドウ糖しか利用できない赤血球と日常的にブドウ糖を利用している脳細胞や網膜などのために最低限の血糖価を確保しているのです。近年の研究結果によると脳細胞はケトン体を利用できることが明らかになりました。そのため、現在では唯一、赤血球のエネルギー源としてのブドウ糖が必須ということになります。必須脂肪酸-オメガ3やオメガ6と必須アミノ酸はあっても必須糖質というのはありません。食事で摂取しなければならない糖質の必要最小量は、理論的にゼロということになります。
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