2019年   認知症予防
アルツハイマー病(認知症の60%)
脳の神経細胞の外側にアミロイドβと呼ばれるタンパク質がたまることによって神経細胞が死滅し、脳が徐々に委縮していく病気。人の名前やその日に出会った事柄を覚える記憶力、物事の手順や関係性を考える思考力が著しく低下する。進行すると、言葉が出ない、服の着方や帰り道がわからないといった症状が出る。

アルツハイマー病は約20年かけて脳にゴミがたまり、発病する。
アミロイドβはすべての人の脳の中で毎日作られているが、脳内の酵素にはそれを分解する力があり、通常は脳内にたまることはない。加齢や生活習慣病、遺伝子の異常などにより産出と分解とのバランスが崩れると、アミロイドβが脳の中に蓄積され、神経細胞を破壊させるような変化を引き起こし、神経細胞を死滅させる。長い年月をかけて神経細胞が大量に死滅してしまうと、脳が徐々に委縮し、アルツハイマー病を発症する。

アミロイドβがたまるのは高血圧、糖尿病など生活習慣病が要因の一つ。
高血圧、糖尿病、脂質異常症になるとアミロイドβがたまるのは、脳の血管の動脈硬化が進み、アミロイドβが排出されにくくなるから。糖尿病の人は、アミロイドβを分解する酵素が別のことで使われるので、アミロイドβが分解されにくい状態になる。そのため、糖尿病の人は2倍アルツハイマー病を発症しやすくなる。

アルツハイマー病を予防するために今すべきこと
(1)十分な睡眠
現在、アミロイドβを排出できる確実な方法は「睡眠」と言われています。睡眠の質が良い人ほどアミロイドβがよく排出されていました。たった一晩でも徹夜した人は量が増加します。睡眠時間はアミロイドβを排出するための貴重な「脳の掃除時間」です。

(2)ウオーキングで有酸素運動
ウオーキングなどの有酸素運動を定期的に続けると、アミロイドβ分解酵素の働きが活性化し、アミロイドβの蓄積を防ぐ。運動は脳血管性認知症の予防にもなる。激しい運動でなく、ちょっと汗ばむくらいの運動を1日20分以上、週4回以上続けるのが大事。

(3)地中海式食事を採用する
野菜、果物、乳製品、青魚、赤ワインが豊富な地中海食事を続ける人はアルツハイマーになるリスクが40%軽減したという報告も。青魚に含まれるEPAやDHAはアミロイドβ分解酵素を増やす働きがある。葉物野菜に含まれる「葉酸」は脳の悪玉物質「ホモシスチン」を減らします。「葉酸」の摂取量が多いほどアルツハイマー病の発症が低くなるという報告があります。「葉酸」はほうれん草・ブロッコリーなどの青い葉野菜に多く含まれています。
昔ながらの和食は「納豆」という素晴らしい食材がありますが、漬物やみそ汁に含まれる塩分には十分注意する必要があります。

(4)メタボにならない
高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満は動脈硬化を進め、アルツハイマー病と脳血管性認知症の発症リスクを上げる。メタボのひとは健康な人の2倍以上アルツハイマー病になりやすい。

(5)タバコは吸わない
喫煙習慣は肺ガンだけでなく、脳血管性認知症のリスクを上げる。アミロイドβの排出を妨げ、アルツハイマー病のリスクも上げる。

(6)酒は飲み過ぎない
大量のアルコールを長年飲み続けるろ、脳の神経細胞が委縮し、認知症が起こりやすい。



認知症薬開発中止が相次ぐ(2019年8月29日朝日新聞掲載記事より抜粋)
認知症を根本的に治す薬を世界が渇望しているが開発中止が相次ぐ。米国研究製薬工業協会の報告書によると2017年までの20年間で146の薬剤が開発中止に。2013年に英国で開催された主要8カ国認知症サミットで、各国閣僚が「2025年までに根本的な治療薬を見い出す」と共同宣言を出した。根本治療薬はいまだ承認に至ったものは1件もない。
治験に参加し薬を使った人と使わない人を比べ、期待した効果がでなかったり、薬を使った患者の方が認知機能がより悪くなり、副作用も多きいことが報告されている。国立長寿医療研究センターの柳沢研究所長は開発が進まない理由について、脳内でアミロイドβがたまり始めてから症状が出るまでに長い時間がかかることをあげる。「神経細胞が壊れてから蓄積したアミロイドβを取り除く薬を使っても遅いとわかってきた」と話す。

当面は治療薬は期待できないので(1)〜(6)の防止方法を積極的に採用したい。



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